2月6日のVIXショックから2週間経ちました.
先週はVIXの急騰が,溜まっていたVIXのショートポジションの買い戻しによって連鎖的に生じていたのであるなら,VIXショートがどれくらい解消されているかを確認するのは大事だ,という認識のもと,VIX先物の建玉数を確認しました.
先週分 VIXショートが焼かれたしVIX先物の建玉数を確認してみよう
今回も引き続きVIX先物の建玉数を確認したいと思います.
結論としては,VIXのショートポジションは大きく解消されており,大きく相場が動いたとしてもVIXショートの買い戻しでVIXがまた吹き上がる状況になることは考えにくいと思います.
ということで詳しくみていきましょう.
最新のVIX先物建玉の記事はこちら.
VIX先物建玉数(2018/02/13時点)
米商品先物取引委員会(CFTC)のCommitments of Traders (COT) からデータを引っ張ってきます.したがって,2月13日(火)取引終了時点の建玉数になります.
長期のVIX先物建玉数
まずは,建玉数の長期推移を確認します.2012年頃から2018年2月13日までの推移です.
2月6日時点から,建玉数は大きく減りました.2016年から一貫して増加して建玉数ですが,これを気に少し落ち着きそうです.
ただ,依然として建玉数は多いんですよね.これは単に取引が活発なだけだと思うのですが,念のため,もう少し観察が必要かと思います(´ー`)
直近5ヶ月のVIX先物建玉数
参加者別の建玉数をみてみましょう.
2月6日時点では,大口の投機家(Non-commercial)のショートポジションが大きく減り,現物業者(Commercial)と小口の投機家(Nonreportable)のショートポジションが増加していました.
2月13日時点では,大口の投機家のショートポジションがさらに減っています.そのうえ,ロングポジションも減っており,大口の投機家のポジションが全体的に減っています.これが,総建玉数の減少に大きく寄与しています.大口の投機家のショートポジションが大きく減っていることから,また株価が大きく下がったとしてもVIXショートの買い戻しやその損失の補填で他の資産を売却などして連鎖的にVIXが吹き上がる状況は考えにくいと思います.
一方で,現物業者のショートポジションは2月13日時点でも引き続き増加しています.13日時点では,VIXは25以上と要注意な水準であったため,まだショートポジションを追加しても問題ないレベルかなぁと思います.VIXも20を切ってきているので,来週には現物業者のショートポジションも縮小するのではないかなとみています.
小口の投機家は早々にショートポジションを閉じていますね.全然ショートを引っ張らないんですね.
おわりに
今回はここ2週間のVIX先物の建玉数の推移をみてみました.
相場に影響を与える大口の投機家の建玉は大きく減少しており,特にショートポジションは2月6日に引き続き減少していることを確認できました.
このことから,たとえ相場が荒れたとしてもVIXショートの買い戻しで連鎖的にVIXが吹き上がるようなことは考えにくいと思います.
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