マネックス証券主催「ゼロETFセミナー」にいってきたよ

追記: 2018年8月にウィズダムツリーの日本拠点撤退にともない,マネックスとウィズダムツリージャパンのコラボによるゼロETFプログラムの一部サービス(シーゲル教授の毎週のレポートや特別セミナー)は終了しました.

先日行われた,マネックス証券のセミナー「ゼロETFセミナー」に参加してきましたので,その内容と思ったことをつらつらと書き残しておきたいと思います.

外部サイト ゼロETFセミナー ~イェスパー・コール氏と広木隆が語る世界経済と日本のこれから~ | マネックス証券

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ゼロETFセミナー

ゼロETFセミナーは,マネックス証券とウィズダムツリージャパンがダッグを組んで行っているプログラムで,マネックス証券で取り扱っているウィズダムツリーのETFが実質売買手数料無料で取引できる「ゼロETF」の1周年を記念して開催されたセミナーです.ゼロETF対象のETFを保持していると優先的に参加できました.

ゼロETFは,売買した翌月末に取引手数料分がキャッシュバックされることで売買手数料が無料となるプログラムです.対象となるのはウィズダムツリーの30種類のETFです.特典として,毎週火曜日にジェレミー・シーゲル教授のマーケットコメンタリーを読むことができます.私もマネックス証券でEPIを保有しているので,このマーケットコメンタリーを読んでいます.大変参考になります.

外部サイト ゼロETF(米国ETF売買手数料実質無料プログラム)

ゼロETFセミナーでは,ウィズダムツリージャパンからはCEOのイェスパー・コールさんとETFストラテジストの渡邊雅史さん,マネックス証券からは広木隆さんがそれぞれ45分から60分くらいの講演をされました.

参加者の年齢層は40台以上の方々が大半で,20代から30代前半と見える方はほとんどみかけませんでした.

会場の後方にはマネックス証券のブースとウィズダムツリージャパンのブースがありました.休憩時間中はそこそこ賑わっていたと思います.

講演内容の概要と雑感

講演のメモと記憶をたどり,講演内容と感想をまじえて書いていきます.

投資対象として日本はおすすめ

イェスパー・コールさんは,全般的に日本激推しの論調でした.

海外投資家からの視点として,以下の点が日本株をおすすめする理由のようです.

  • 長期安定政権
  • 建設的な経済政策
  • 建設的な金融政策
  • 日本株のバリュエーション(PER15%から16%)

特に,日本企業は現金を沢山もっているので金利上昇の影響は小さく,M&Aが進むと最終的にEPSが拡大するだろう.その結果,2020年にはEPSが今の倍くらいになって日経平均が40000にいきそう.というような見立てのようです(聞き間違えでなければ).

米国についても,トランプ大統領が真に保護主義に走らなければ,2018年の米国企業は4.5%から5%の成長は十分見込める.長期金利については4%くらいはあるかもしれないとのこと.

最適なETFの選び方とは?

渡邉さんの話は面白かったです.

最適なETFの選び方として以下の2つを挙げられていました.

  • 投資目的とファンドの投資対象が一致していること.何に,どのような戦略/テーマで投資するのかを要確認.
  • 取引コストを含めてコスト効率が良いこと

1つ目については例えば,中国に投資しようとしたとき,本当に中国全体に投資したいのか,それとも中国で成長していてこの先も成長がみこまれるニューエコノミーに対して投資したいのかで買うべきETFは異なるよね,という話です.

ウィズダムツリーでは,中国の国有企業(政府保有株が20%以上)を除く中国企業に投資できるCXSEやその対象を新興国全般に広げたXSOEを組成しています.テンセントやバイドゥ,アリババなどの中国で元気の良い民間企業に投資できるETFはなかなかおもしろいなぁと思いました.長期投資として中国全体に投資するのはどうかなぁって思っていますが,これから有望だと思える中国企業にまとめて投資できるのは投資冥利がありそうです.

2つ目については,経費率だけではなくて売買手数料もちゃんと考えましょう,ということです.ETFを使ったアクティブ運用をするなら,流動性には難があるものの,マネックス証券でウィズダムツリーのETFを使うのは,手数料を考える必要はないのでありかなぁと思います.

慢心が真のリスク

広木さんは日本株に関してはかなり強気でした.リスクらしいリスクが思い当たらない,と.

ただ,そういうリスクがないように思えるけど,実は見えていないだけで存在するはずなので,慢心が真のリスクということで常に警戒しましょう,という趣旨のことをおっしゃっていました.

さらに,7%で株価が増加するなら,日経平均は55年後には100万円に達していると主張されていました.これについてはかなり楽観的だと私は思いました.人口減少や人件費高騰が問題としてあるなか,継続的に日本企業が成長できるのか,私は懐疑的です.

投資先として注目している国は?

セミナー終盤にはイェスパー・コールさんと広木さんの対談がありました.

そのなかで投資先として注目している国として,日本とイギリス,中国(テクノロジーのみ)というのがあがりました.イェスパー・コールさん曰く,日本にはAppleのようなイノベーション力はないけど部品は強いとのことです.日本電産とかはそんなイメージですね.

また,米国株については,悪い金利上昇にならなければ見通しは明るいとのことです.悪い金利上昇かどうかは自動車販売台数を確認すればよく,金利上昇で自動車販売台数が下がってくると悪い金利上昇になるかも,ということで注目ですね.

おわりに

イェスパー・コールさんと広木さんはともに全般的にはテクノロジーに関して着目して投資先を考えているようでした.私の趣味としては,食品や日用品などのディフェンシブな企業が好きなので,ITとかロボットとかそういうたぐいのものに対しては投資として二の足を踏んでいました.ちょっと検討してもいいかもと思っています.特に,CXSEは魅力的ですね.

個人的にはウィズダムツリーの思想は好きなので,これからもおもしろいETFをだしてくれるといいなと思っています.ウィズダムツリーとしては結構ETFがあるようですが,国内証券会社で扱っているのは30銘柄のみ(2018/2現在)ですが,100種類を超えるETFを出しているようです.日本で海外のETFに投資できるようにするためには,金融庁に届け出をする必要があるようで,そのため国内証券会社で取り扱っているETFは少なめのようです.今後ニーズがあるETFであればどんどん金融庁に届け出するそうです.今年は2つぐらい追加されるかもと,ウィズダムツリーのブースの方がおっしゃっていました.

最後に,ウィズダムツリーとマネックス証券が組んで楽天・ヴァンガードみたいにETFをラッピングした投資信託を出す可能性は低そうです.イェスパー・コールさん曰く,ETFをラッピングした投資信託はナンセンスで,出るとしたら円建てのETFだろうとのこと.実際,楽天VTIなどは信託報酬は他の投資信託と比べて最安水獣だけど,その楽天の取り分が大きいですからね.

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