2019年10月26日に開かれた「山崎元が切る!グローバル3倍3分法」に参加してきました.経済評論家の山崎元さんことヤマゲンさんとグローバル3倍3分法の開発者である有賀純一郎さんとの対談で,ヤマゲンさんがグローバル3倍3分法をバッサリ切るという企画です.
今回は印象に残ったことを中心にまとめたいと思います.
コンテンツ
イベント概要
当イベントは,東京 六本木にある東京ミッドタウン・タワー内の日興アセットマネジメント(AM)の会議室で行われました.重要な会議などに使われる部屋のようで,椅子がアーロンチェアと豪華でした.
イベント内容については,公式サイトを参照してください.当日の映像は後日アップロードされるようです.
日興AMとしては個人投資家を交えた,このようなイベントは初めてとのことで,なかなか気合が入っている印象でした.スタッフは,指三本立ててXポーズみたいなロゴの3倍3分法Tシャツとバッチをつけていました.ちょっと欲しかった.
印象に残ったこと
個人的には新しい情報はあまりなく,以前楽天証券のセミナーで日興AMの方に確認した内容を再確認したという感じです.
本編で印象に残った話はこんな感じ.
- 名言: ポートフォリオはリスクプレミアムのコレクション(ヤマゲンさん).
- 債券先物を売買するコストについて: ブローカーに支払うコストは非常に少ない.具体的に何ベーシスのスプレッドで売買しているかは答えられないが,先物の流動性の高いところでスプレッド狭く売買しているため金利コストは低い.債券先物の証拠金が足りなくなったときは,資金を差し入れれば良いが,若干ペナルティがかかる.
- マイナス金利の国債を買う気持ち: マイナス金利だからといって必ずしも悪くはない.マイナス金利で借りてマイナス金利の国債を買っている状況になっている.それよりも逆イールドが気持ち悪い.
- リバランスについて: リバランスは売買が少なるようにしている.比率がちょっとずれたからといってすぐするわけではない.
- 資産毎の比率について: 比率が気に入らない人は,グローバル3倍3分法をベースに他の投信を使うなどしてカスタマイズしてほしい.例えば,新興国株の比率が低くて先進国株の比率が低いじゃないかという方は,先進国株を別途追加して調整してほしい.
- 隔月配当型について: 隔月配当があるのはお客さんのニーズ.おすすめは1年決算型だし,お客さんもそういう方が増えている.
私のグローバル3倍3分法に対する立場
懇親会では有賀さんに質問をしたのですが,その内容に入る前に私のグローバル3倍3分法に対する立場を明確にしておきたいと思います.端的に言うと,グローバル3倍3分法にはポジティブだけれど,運用上のリスクの見積もりはちゃんとしてるの?ということです.
基本的に,広く分散されたリスクあたりリターンの高いポートフォリオに適度にレバレッジをかけるのは合理的だと思っています.基本的にはプラスリターンが期待される資産に投資しているので,長期的なリターンは心配していません.また,こういうレバレッジ系でよく言われる金利コストですが,そのコストが上がって来てリターンを押し下げるなら別のファンドに乗り換えればいいだけなので特に問題はないです.
ただし,それは理論上のことであり,そこで仮定されていることが運用するうえで成り立っていることが前提です.特に,すべての資産が正の相関となって暴落するような状況において,きちんとファンドが運用できるかが気になるところです.単に過去のリターンを直接使ったバックテストではなく,資産間の相関を含めたリターンの分布から推定したときに運用上問題になるのはどれくらいありそうか,興味があります.
仮に,3倍というレバレッジがかなり余裕のあるレバレッジだとしたときに,より高レバレッジな投信は提供されないか,ということにも関心があります.これは,どうせ広く分散された高レバレッジなポートフォリオはなかなか個人では作れないので,運用会社はとびっきり濃い原液1もちろん基準価額が0にならないくらいのレバレッジであることが前提です.を提供しておき,どれくらいのボラティリティやレバレッジが良いかは個人の考えにもとづき薄める方がいいんじゃね?という考えに基づきます.
疑問を懇親会で聞いてみたよ
ということで本編では疑問が十分に解消しなかったので,懇親会で有賀さんに直接聞いてみました.因みに回答部分は,私の聞き間違えや解釈の相違があるかもしれないので,そういう可能性があるものとしてください.
債券先物の流動性がなくなるような事態は起こらないの?
本編では,長期のバックテストでは現金部分がなくならなかったとのことだが,債券先物市場の流動性がなくなるようなことは起こらないのか.
債券先物市場は何十兆という規模で毎日取引されているので,債券先物の流動性がなくなるようなことは起きなさそう.
仮に市場が閉鎖するようなことがあったら基準価額が算出できないので,その間投信の新規の売買を停止せざるを得ない.とはいえ,ファンドがなくなってしまうことは考えにくい.
もっとレバレッジをかけたファンドはできないの?
3倍のレバレッジは株式のリスク(ボラティリティ)より小さいということで設定されたようだが,もっとレバレッジを高めた投信はできないか.
リスクを取りすぎたファンドはできないが,そういうのはできるかも
おわりに
全体的にヤマゲンさんは思うように斬れていなかった印象ですね.商品としては表面上切りやすいところはなかった,ということでしょうか.
私は,楽天証券の楽天カード払いのつみたてで毎月グローバル3倍3分法を購入しています2毎月まとめているhass fundの運用成績には含めていません..各アセットの相関が一時的に正になって暴落するようなタイミングがきたら買い増ししたいですね.ある意味,買い増しのタイミングがわかりやすいファンドだと思います.
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