iFreeタッチは何を目指しているのだろう

2019年6月12日より「iFreeタッチ」がiPhone/Androidでアプリ配信されました.iFreeタッチは大和投信信託のiFreeシリーズの投資信託を題材とした仮想投資シミュレーションアプリです.

https://www.ifreeapp.jp/

iFreeタッチでは,仮想コンシェルジュであるリーナちゃんと投資を学びながら,資産をどれだけ増やせるか(資産の増加率)をプレイヤー間で競います.

ということで,資産形成の教育的な側面もあり,そういう観点から iFree タッチがどんなことを目指しているのか類推してみました.もちろん直接問い合わせたら良いだけの話ではありますが.

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iFreeタッチ

概要

iFreeタッチ プロモーションムービー

iFreeタッチの特徴としてはこんな感じ.

  • iFreeシリーズの投資信託を使ってポートフォリオを作り,日々の実際のファンドの価額変動に応じたポートフォリオの価格変動を体験できる
  • iFreeシリーズの基準価格一覧と書くファンドの月次レポートをチェックできる
  • 仮想コンシェルジュのリーナちゃんと投資に関することや日常会話でコミュニケーションがとれる
  • 無料なのに賞金付きのiFreeダービーに参加できる

iFreeタッチを使ってみた感想としては,1回ポートフォリオを決定すればやることはほとんどないので,ゲームとしてはすぐ飽きてしまうアプリだと思いました.しいて言えば,毎日ログインするとiFreeポイントがもらえるため,毎日1回ログインするくらいです.iFreeポイントは賞品への応募に利用できるようです.

また,リバランスは自動でやってもらえるわけではなく,明示的に「変更申込み」を行う必要があります.

ゲーム性を考えると,iFreeタッチの目玉はiFreeダービーだと思います.

iFreeダービー

iFreeダービーは,一定期間の資産の増加率をプレイヤ間で競い合い,その順位に応じて賞品が得られます.開催期間内に,1度でもログインするとエントリーされます.

第1回は7月1日から9月30日までのまる三ヶ月間で,優勝すると現金100万円がもらえる模様です.そのほか,5位までに入賞すると現金がもらえ,10位以降はキリ番(死語?)ごとEJOICAセレクトギフトがもえらえます.

iFreeタッチ自体には課金要素はなく,ノーリスクで豪華な賞品が得られるということですね.豪華なのは初回だけかもしれませんが.

何を目的にしているのだろう?

iFreeタッチに課金要素はないため,iFreeシリーズの投資信託の認知度向上や投信販売につなげるための販促だと考えられます(あたりまえですが).あわせて,「投資の知識と知恵が学べる」とうたっていることから,投資教育の側面もあるでしょう.

ただ,投資信託の商品性と運用会社の収益構造を考えると,iFreeダービーのインセンティブがあっていないように私は思います.

iFreeダービーでは開催期間中の資産増加率だけで順位が決まることや,開催期間は3ヶ月と投資期間としては短期です.このことから.リスクを無視してリターンを追求するような短期投資(あるいは投機)がiFreeタッチで目指している運用スタイルのように思います.

このような短期投資が運用会社として望ましいのか?というと違うように思います.運用会社は主に信託報酬として収益をあげます.信託報酬はファンドの純資産額に対して何パーセントという形になるため,収益を大きくするにはファンドに多くの資金が流入することが大事です.ということは,短期投資で回転売買することは運用会社としては望ましくないでしょう1iFreeレバレッジシリーズは販売時手数料がかかりますが,これは販売会社の収益になります..解約に備えて現金を余らせておく必要があるため.

また,投資信託はいわゆる成行注文しかできないので,ETFに比べるとどうしても短期売買にあっていないように思います.短期売買をするのであれば買値・売値が重要であり,約定するまで買値・売値のわかりません.それよりは,株式市場が空いている時間に売買できるETFの方が良いんじゃないかと思います.

どうせなら投資信託の特徴,特にiFreeシリーズにインデックスファンドがあることに合わせて,iFreeダービーの成績を決めたらどうでしょう.例えば,単なる資産の増加率をみるのではなく,期間中のリスクに対して資産の増加率がどうだったか(つまり,シャープレシオのような指標)をみるとか.

もちろん,リターンこそ正義だ!,一発逆転のギャンブルでも結果的に儲かるような投資を推奨したいなら,資産の増加率でいいと思いますが.

おわりに

自分でも,たかがアプリに何言っているのか,と思いますが,どうせお金をかけて販促をするなら,目的に合致した方法をとったほうがいいんじゃないかなーと思ったしだい.

ちなみに,短期売買や投機を否定しているのではありません.インデックスファンドを使って長期投資と思いきや,短期売買や投機を促すようなどっちつかずなところがもやもやしたということです.

結局のところ,どういう投資を推奨したいのか,が不明なためよくわからないということです.今後に期待したいと思います.

とはいえ,iFreeダービーで現金は欲しいので,頑張って投機に勤しみたいと思います(´ー`)

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