つみたてNISAで楽天スーパーポイントを積極的に獲得するためのポートフォリオを考えてみたよ

追記(2019/6/19)

楽天銀行のハッピープログラムの改悪により,2019/6/26 0:00以降,以下で説明している方法は無効になりました.

ハッピープログラムの対象、取引件数のカウント条件および、ポイントの獲得条件変更 に関するお知らせ | 2019年10月3日 | お知らせ | 楽天銀行
「ハッピープログラムの対象、取引件数のカウント条件および、ポイントの獲得条件変更 に関するお知らせ」楽天銀行は日本最大級のインターネット銀行です。各種お取引毎に「楽天スーパーポイント」を貯められます。

月間で3件ほどしかポイントの対象になりません.むやみに投資信託数を増やす意味はなくなりますので,自身の目指すポートフォリオに必要十分な投資信託の組み合わせにすべきでしょう.

楽天証券と楽天銀行を連携させて,楽天証券のつみたてNISAで毎日つみたてを行うと,楽天スーパーポイントが積立を行う投資信託数に応じて付与されます.前回は,2018年夏頃から開始されるといわれている,つみたてNISAで楽天スーパーポイントを投資に使ったときに,どれくらい得をするのかを試算しました.前回の結論としては,積極的に楽天スーパーポイントをとりにいくほどのお得感はない,ということでした.

とはいえ,ポイント乞食的なところのある私としては,大きくリターンが下がらないポートフォリオならば,積極的に楽天スーパーポイントをとりにいってもいいかなと考えています.

そこで今回は,それほどリターンを損ねずに積極的に楽天スーパーポイントをとろうとしたときに,どんなポートフォリオを組めば良いのかを検討し,そのトータルリターンを試算してみました. ただ,期待リターンは正確にはわからない以上,今回試算している内容は話半分に流してもらうのが懸命だと思います.なぜなら,期待リターンの変動がトータルリターンの主な要因であり,付与される楽天スーパーポイントの量はトータルリターンに対して影響が軽微だからです.

スポンサーリンク

ポートフォリオの方針と運用の仕方

ポートフォリオは以下の方針に基いて作成します.

  • 世界分散を図る
  • 組み入れる資産は株式のみ
  • 同じ指数に連動する投資信託はコストが最も小さいものの割合を最大にし,それ以外のものの割合は最小にする

また,実際に運用する場合は,現状のつみたてNISAではスイッチングができない以上,配分が小さくなった投資信託を買い増ししてリバランスする,いわゆるノーセルリバランスを行う必要があります.さらに,毎日積立なので,一度の購入でリバランスすることが難しいため,数日から数ヶ月に渡って毎日の積立金額を調整することが必要だと思います.

頭悪い人
頭悪い人

リバランスめんどくさい.コスパ悪い

使用する投資信託

ポートフォリオに組み入れる投資信託の候補を表にまとめます.いずれも,楽天証券で取り扱われている,つみたてNISA対応の低コストなインデックス投資信託です.

銘柄名ファンドの管理費用年間リターン(20年平均) (Ref: myindex)
楽天・全米株式インデックス・ファンド0.1696%7.42%
楽天・全世界株式インデックス・ファンド0.2396%6.10%
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)0.1534%6.00%
野村つみたて外国株投信0.2052%6.00%
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)0.1534%5.67%
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)0.1717%3.20%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.1183%6.00%
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス0.2052%7.80%
EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド0.1500%6.10%
EXE-i つみたて先進国株式ファンド0.1155%6.00%
EXE-i つみたて新興国株式ファンド0.1948%8.20%

ファンドの管理費用は楽天証券のサイトで得られる情報を用いています.また,基本的に年間リターン(20年平均)は,わたしのインデックスのものを用いました.ただし,「楽天・VTI/楽天VT」と「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」の年間リターンは異なっています.「楽天・VTI/楽天VT」は指数が20年に満たないので,約18年間の平均リターンになっていますし,「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」は単純に3つのベンチマークの年間リターンを足し合わせて3で割っています.

ポートフォリオ例

さっそく上の表の投資信託で,次の5つのポートフォリオ例を考えてみました.

  • シンプル: FTSE Global All Cap Indexに連動するものだけ
  • 世界分散(3均等): eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)をベースに楽天スーパーポイントを稼ぎにいく
  • 全世界: eMAXIS Slimシリーズで全世界分散を実現しつつ,楽天スーパーポイントを稼ぎにいく
  • 全世界(hass好み): 私の感性に従って選んでみたもの.配分に明確な根拠なし
  • 全世界(欲張り): 全部盛り込み

配分

各ポートフォリオの投資信託の毎日積立額を表にまとめます.これが各投資信託の配分になります.

投資信託シンプル世界分散(3均等)全世界全世界(hass好み)全世界(欲張り)
楽天・全米株式インデックス・ファンド000100100
楽天・全世界株式インデックス・ファンド1000100100100
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)001200700100
野村つみたて外国株投信00100100100
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)010000200100
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)0200100100100
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス01000100100
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス010000100
EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド15000100100600
EXE-i つみたて先進国株式ファンド01000100100
EXE-i つみたて新興国株式ファンド010000100

1日の積立額は1600円にしてあります.これは,1日の営業日数を250日とすると,年間でつみたてNISAの上限の40万円になる額です.

スポンサーリンク

コストと期待リターン(目安)

各ポートフォリオの合成したコストとリターンはこんな感じになります.

種別シンプル世界分散(3均等)全世界全世界(hass好み)全世界(欲張り)
コスト0.15560.15690.16290.15940.1642
年利6.10005.69005.84005.88006.1900

いずれのポートフォリオもコストは低水準になっていますね.リターンは5%後半から6%前半くらいです.あまり差が無いように見えますが,コストに差がほとんどない分,このリターンの差が大きく効いてきます.加えて,リターンはコストに比べて予想しづらいので,参考程度に思ってもらえば良いです.

個人的にはどれも結局は似たようなリターンになるんじゃないかな,とは思っています.

各国の配分

各ポートフォリオの国別の比率はこんな感じになります.

この図は,2018年3月末時点の各ファンドに含まれる国の比率を元に作成しました.ファンドによっては,企業の所属している国の判断基準が異なるため,同じ企業でも異なる国に分類されている場合がありますが,そのまま使っています.

世界分散(3均等)以外は,だいたい同じような比率になっています.

各ポートフォリオの期待できるリターン

さて,トータルリターンについて試算してみましょう.リターンの算出は,計1600円/日の毎日積立を40年間続けるという前提の元で行いました.なお,今回は20年以降も毎日積立ができ,楽天スーパーポイントが付与されるとして計算しています.もちろん,20年間も今のように楽天スーパーポイントが付与されるとは思いませんが(´ー`)

さらに,楽天銀行のステージは「VIP」以上を仮定し,1投資信託当たり3ポイント付与されるとしています.これは毎日積み立てを行えば簡単にクリアできるラインなので,妥当な設定だと思います.

また,ベンチマークとして,「EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド」を毎日積立した場合と比較します.

累積楽天スーパーポイント数

まずは,付与されるであろう楽天スーパーポイント数です.

単純に毎日積立する投資信託数に応じて,線形にポイントが積み上がっていきます.20年で,単に「EXE-iつみたてグローバル」(ベンチマーク)を積み立てているだけで,15000円分のポイントがもらえます.「全世界(欲張り)」の場合は165,000円分のポイントがたまります.

hass
hass

それなりにポイント貯まりますねー

スポンサーリンク

トータルリターン

それでは,トータルリターンを見てみましょう.縦軸はlogスケールにしています.

20年間毎日積立していると,だいたい1600万から1800万までのリターンが見込めます.付与されるポイント数はゴミのようにみえますね.ポイントにつられて変な投資信託に手をだすことはリターンを押し下げてしまう要因になるため避けた方がいいでしょう.例えば,債券やREITといった資産は避けるべきで,それらを持ちたければつみたてNISAの枠外で持つべきだと思います.

ベンチマークを基準に,どれくらいトータルリターンに差があるのかを見てみましょう.

期待リターンによっては,いくら楽天スーパーポイントが多く付与されたといっても,簡単にリターンが下回ってしまいます.懸命な投資家ならこんなポイントに惑わされないでしょう.

もし期待リターンがすべてのポートフォリオで同じだったら

さて,仮にすべてのポートフォリオの期待リターンが同じ場合だったら,トータルリターンはどうなるでしょうか.つまり,ポートフォリオを作るにあたって使用した投資信託のコストの影響をみていることになります.

期待リターンが同じで,今回のポートフォリオのコストの差程度であれば,概ね投資信託数を増やして,楽天スーパーポイントを積極的にとりにいったほうがお得になります.

何回も繰り返しますが,得られる楽天スーパーポイントは投資によって得られるリターンに比べてわずかです.ポイントを狙う場合は,期待リターンを最大化できるようなポートフォリオを考え,コストの増加を抑えながら,ポートフォリオを実現できるように投資信託を組み合わせることに注意すべきでしょう.

おわりに

今回は,楽天証券でつみたてNISAを行う際に,楽天スーパーポイントを積極的に狙った場合のポートフォリオをいくつか考えてみました.

楽天スーパーポイントを積極的にとりにいったとしても,トータルリターン全体からみると誤差でしかありません.目先のポイントに騙されず,まずは期待リターンが最大になるようにポートフォリオを組み,適度にリバランスをすることが大事かなぁと思います(´ー`)

ポイント乞食な私は,「全世界(hass好み)」のポートフォリオでつみたてNISAを運用しています.当初は楽天VTI一本で考えていたのですが,心情的にバリュエーションが高いところにせっせと投資するのは微妙なのと,つみたてNISA以外の戦略と合わせて考えると米国に投資しすぎな気がしたのでかえました.

コメント