7/14日(土)に開催された「楽天証券サービス開始19周年記念投資セミナー(大阪)」に参加してきました.19周年ってキリが悪いですよね.20周年記念セミナーもありそうな雰囲気です.今回参加した目的は,投資の勉強をするというよりは個人投資家がどう感じているのかを探るという感じです.当初はあまり期待していませんでしたが,思いの外たのしかったです.
ということで今回は,楽天証券のセミナーに行った感想などをつらつらと記録に残しておきたい思います.なお,ほとんどが私の記憶に基づく話なので,事実と異なる場合があるかもしれません.ご了承ください(;´Д`)
コンテンツ
概要
セミナーはメインとミニ,そしてブースエリアで行われた立ち見のセミナーの3種類が同時並行で行われるスタイルでした.ブースエリアでは楽天証券はもちろん運用会社などのブースがあり,アンケートに答える(個人情報を提供)ことで小物がもらえました.
セミナーの詳細は楽天証券のページでご確認ください.
私が参加したセミナーは
- ピクテ投信投資顧問 「〜世界で一番熱い国〜ノーロードで始めるインド株式ファンド」
- 桐谷広人・杉原杏璃対談 「進化した私の投資スタイル〜肉食投資家にも優待銘柄はおすすめ〜」
の2つに参加しました.また,気になっていることを以下のブースで聞いてきました.
- 楽天証券(NISA,iDeCo,株価指数先物・オプション/国内商品先物)
- 楽天投信投資顧問
- ピクテ投信投資顧問
- Good Moneyger
それぞれについて感想を交えながら内容を書いていきたいと思います.
セミナー
〜世界で一番熱い国〜ノーロードで始めるインド株式ファンド
まずはピクテのセミナーです.内容としては「iTrustインド株式ファンド」の宣伝ですね.アクティブファンドです.
インド株式の魅力をざっとまとめるとこんな感じです.
- インドのGDP水準は日本でいうと1960年代レベル.他の新興国と比べても伸びしろがある
- 今後も労働人口が伸びていく
- 外需依存度が低い.世界平均は21%で,インドは12%.
- インフレ目標(4%+-2%)の範囲でインフレがコントロールされている
- 米国金利上昇に対して他の新興国より強い
iTrustインド株式ファンドの特徴としてはこんな感じ.
- 投資哲学: 徹底的な銘柄発掘によって,中長期的に成長が期待できる銘柄に集中投資
- インド株式市場に上場の5000社から最終的に25社から30社に絞り込む
- 1度ホールドしたら最低4年は持ったまま
CAPEの見方がいまいちわかりませんが,ピクテの方はCAPEと現在のインフレ調整済みPERとの比較をして現在は割安だと言っていました.CAPEは10年平均なので,個人的にはこの使い方がしっくりします.
また,iInfoという会員サービスにはちょっと興味がわきました.会員登録すると無料で,各ファンドのバリュエーションレポート,資産運用を学ぶコンテンツなどが見れるようで,投資信託というよりそういう情報は有益かなぁと思いました.
ピクテのブースでは,個人情報(メールアドレス)を提供した対価として,ピクテハンカチと小物入れをもらいました.
進化した私の投資スタイル〜肉食投資家にも優待銘柄はおすすめ〜
優待株投資で有名な桐谷さんと,株式投資が趣味のタレント杉原さんと対談でした.
桐谷さんは,配当と優待利回りを合わせて4%以上だったら1単元買ってそれを沢山保有するという投資スタイルです.杉原さんの投資スタイルはキャピタルゲインを狙った投資で成長株投資(?)に近いような印象を受けました.
桐谷さんは,買う株を選ぶときには優待しか見てないようですね.株は上げたり下げたりするから,下げても優待があるから心の平静を保てるとのこと.下げても配当があるから安心という考え方の拡張として優待をみているような印象です.桐谷さんいわく,良い優待を出しているところは良い会社だそう.直近の吉野家のように赤字になっても企業努力で良くなるだろうと楽観的に見ているようです.
桐谷さんは優待投資を株初心者の方におすすめされていましたが,私は危うさを感じました.やりすぎた優待はいずれ改悪されるだろうし,特に景気後退期に突入し業績悪化したら真っ先に改悪される気がします.簡単にはしごを外されそうです.また,優待株を沢山買って分散投資ということですが,それならTOPIXなどに投資信託でインデックス投資をするのが初心者には良いのではと思った次第.
対談の中では,特にタイトルの「進化した私の投資スタイル〜肉食投資家にも優待銘柄はおすすめ〜」の内容には触れられていなかったので残念でした.ある意味自由というかそんな感じでした.
ブースエリア放浪記
楽天証券(NISA,iDeCo,株価指数先物・オプション/国内商品先物)
楽天証券のブースは沢山ありました.気になっていたことを順々に各ブースに周って聞いてきました.
楽天証券では,楽天スーパーポイントでつみたてNISA口座で投信を購入できるサービスを今年の夏に開始するとアナウンスしています.それがいつ頃になりそうか聞いてみました.回答としては発表している以上の情報はないとのこと.夏の終わりになるかもしれないしそうじゃないかもしれない.特に新しい情報は得られませんでした.残念.
iDeCoでは,今後ラインナップの変化があるのか聞いてみました.
- 直近ではバランスファンドが1本追加された.
- 現在のラインナップは31本で最大で35本までしか増やせない
- 今後を考えると少し枠を残しておく必要がある
とのこと.聞いている感じでは,すでにある商品をなくして新たに追加することはなさそうです.
楽天証券のブースで一番おもしろかったのはデリバティブのブースでした.結構ダークな話も聞けたのですが,ブログに書くには躊躇しちゃいますので,私の感想を中心にまとめます(´ー`).まずは,「株式オプション「かぶオプ」って流行ってないですね」と聞いたところ,つまるところ某取引所さんのシステムがよくないようです.個人的には取引できる銘柄数や流動性の低さもともなって取引できたもんじゃないと思うんですがそれが悪循環につながっているようですね.
ダメ元で海外の株式オプションが取引できるようになりませんかと聞いたところ,ブースにいた方は乗り気でした(´ー`) ただ,海外の商品なので業界全体で取り組まないといけないのと,個人投資家のレベルの低さが問題とハードルが高そうです.やっぱり投機的な投資家が多く,東日本大震災などのテールリスクによって,信用2階建てやデリバティブでの追証が払えず自己破産で回収できなくなった分がかなりあったらしく,そういう点でより商品の理解が必要なものを取り扱うのは難しそうな感触です.
楽天投信投資顧問
楽天投信投資顧問は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」などを運用している会社ですね.ブースでも楽天VTなどのインデックスファンドの紹介がされていました.
楽天投信投資顧問では,レバレッジドファンドの運用もしているので,その金利コストについて聞いてみました.結論からいうと,金利が増加しても全体的なコストとしてはインパクトはそれほど大きくなさそうです.レバレッジドファンドを運用している資産全体の中で,先物などに資金として出しているのは2割とか3割くらいで金利がかかってくるのはこの部分.そのため,金利が増加してきてもそれほど大きなリターンの下振れ要因にはならないみたいですね.まぁ実際のところは,実際にコストとしてかかっている部分(ベンチマークとの差)を気にしたほうが良さそうです.
また,レバレッジをかけたバランスファンドとか出てこないですかと聞いたところ,社内の議論には出てきているみたいです.需要があれば実現するかもしれないので,定期的に要望してみるといいかもしれません.
Good Moneyger
Good Moneyger はフィンテック企業で,楽天証券ではIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)としてロボアドバイザーVESTAというサービスを提供しています.
ブースにいた方からかなり詳しく教えてもらったのでかなり興味を持ちました.ロボアドとしては悪くないサービスだと思いました.あとで知ったのですが,ブースにいた方は代表取締役の方でめっちゃイケメンでした.
聞いた内容をざっくりまとめるとこんな感じです.
- VESTAはマクロな経済指標などから投資環境の季節を分析し,その投資環境にあった国際分散投資戦略をアドバイスするもの
- アドバイスとして提示する商品はノーロードの投資信託だけ
- 学習には1987年(?)からのデータを使用している.それ以前は,超円安時代で参考にならないこと,EUができたことも状況の変化として大きい.
- VESTAの収益モデルは楽天証券からのキャッシュバックのみ
- 年間平均1から2回程度の取引回数
- VESTAを使用する際にはIFA口座を作らないとダメで,個別株を取引する場合には売買手数料が増加するので注意が必要(楽天証券で個別株をしなければ良いので,避ける方法あり)
ロボアドというと資産の1%を手数料として取るようなサービスが沢山ありますが,VESTAでは投資家が追加で手数料を支払わなくてよい構造になっていることに好感を持ちました.やっていることをきいている限りでは,そんなへんなことにはならなさそうなので,桐谷さんの優待投資より初心者は断然VESTA使ったほうがいいんじゃないと思いました(´ー`)
おわりに
今回は楽天証券の会場セミナーに参加してきました.メインの講演会(対談)は微妙でしたが,ブースでいろんな話が聞けたのは良かったです.暑い中行くのを諦めかけましたが,行ってよかったです.
当初の目的は,個人投資家が今どういうふうに感じているかを感じ取ることでしたが,そういうことは一切忘れてブースを周っていました(;´Д`)まぁいろいろ気になっていたことを聞けたので良しとしましょう.
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