TOPIXのレバレッジドETFの実質コストと期待リターン

先日は日経平均株価のレバレッジドETF(LETF)の実質コストと期待リターンについて調べました.

今回は,より分散されているTOPIXのLETFについて同様に調べてみました(´ー`)

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TOPIXのレバレッジドETF

まずは東証に上場しているTOPIXのレバレッジドETFを確認してみましょう.いずれもTOPIXの日次リターンの2倍に連動するETFです.

銘柄コード名称管理会社経費率(%)
1568TOPIX ブル2倍上場投信シンプレクス・AM0.75
1367ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数大和証券投資信託委託0.75

2つとも経費率は同様に0.75%です.

ということは,実質コストに差が生まれるのなら,その差は各管理会社の運用のうまさに起因するものだといえるでしょう.

パフォーマンス

各LETFの2015年1月6日から2018年3月29日までのパフォーマンスを確認しましょう.最も最近上場した1367の上場日が2015年1月6日なので,公平な比較のためすべての起点をあわせています.以降の比較も同様です.

ベンチマークには TOPIX Net Total Return とその日次リターンを2倍にした指数を載せています.なお,本来はGrossであるTotal Returnの方で比較したかったのですが,データが入手できなかったので Net を用いています.LETF間の比較をするのには関係ありませんので,そのようにしています.

3年間の累積リターンをみると1367と1568ではほとんど違いがありませんが,若干1568の方が優れていることがわかりますね

実質コスト: ベンチマークからの乖離

それではTOPIX Net Total Return の日次リターンの2倍に対する,各LETFの乖離幅を見てみてみましょう.

乖離幅の密度分布と累積密度関数を順に示します.


乖離幅の密度確率関数をみると,乖離幅の絶対値が0.005の範囲内では,1367は1568より乖離幅が小さい方にまとまっているようにみえます.

しかし,乖離幅の絶対値が大きいところでは,1367は1568より乖離幅が大きい場合があります.特に,1568より,1367は下方乖離が大きい部分が確認できます.

統計量としてまとめると次のようになります.

銘柄コード平均値中央値標準偏差最小値最大値
1367-0.0000586-0.00004900.00225557-0.01673450.01084495
1568-0.0000513-0.00002350.00218908-0.01062090.01032274

1568は,一日あたりの平均乖離幅(平均値)や中央値,標準偏差などをみても,1367より良い結果になっています.これが1568が1367より累積リターンがわずかに高かった結果につながっています.

1367は,上方乖離の幅としては1568と同程度なのに,下方乖離の幅は大きいことがわかりますね.

期待リターン

最後に,TOPIX Net Total Returnの年間平均リターンに対して,各LETFの期待年間リターンを考えます.なお,1年間の営業日数を250日として,元指数の日次リターンに実質コストを引いたものをそのLETFの日次リターンとして計算します.

1568と1367の年利の差は0.2%程度あります.経費率が同じことを考えると,シンプレクスの方が運用がうまいことが想像できます.

また,TOPIX Net Total Return の年利が1.5%でLETFと同程度の年利になります.それ以下の年利しか期待できない場合ではLETFを使う意味はないでしょう.

わたしのインデックスによると,TOPIX(配当込み)インデックスの15年間および20年間の平均リターンは7.1%と3.2%なので,過去にTOPIXのLETFがあった場合は十分報われている計算になります.

参考 TOPIX(配当込み)インデックス | わたしのインデックス

おわりに

今回はTOPIXのレバレッジドETF(LETF)について,実質コストとTOPIX Net Total Returnに対する各LETFの期待リターンについて調べました.

シンプレクスのLETFである1568が最も低コストで運用されているといえると思います.日経平均株価のLETFでもシンプレクスのものは良かったので,シンプレクスのETFは他のETFより運用がうまいように思います.しらんけど(´ー`)

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