【株主総会】GMOクラウド(3788)の株主総会にいってきたよ

GMOクラウドの株主総会に行ってきました.実は,弊ブログはGMOクラウドのVPS上で運営しているので,GMOクラウド(とその株主優待)にはお世話になっています.

また,株主総会が日曜日に開催されたことと,ANAのアップグレードポイントが余っているなどなどが重なり,せっかくなので参加してきました.株主総会に参加するのは,昨年参加したユニバーサル園芸社の株主総会以来の2回目です.

過去記事 ユニバーサル園芸社(6061)の株主総会に行ってきました

ということで今回は,株主総会とその後に開かれた会社説明会の感想を備忘録的につらつらと書いていきたいと思います.

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GMOクラウド

GMOクラウドは,名前の通り,GMOインターネットのグループ会社です.事業内容はざっくりこんな感じです.

  • クラウド・ホスティング事業: レンタルサーバー,VPS,パブリッククラウドやプライベートクラウドの運用
  • セキュリティ事業: 「GlobalSign」ブランドによる電子認証サービスの提供やクラウド型ID管理サービスの提供
  • ソリューション事業: 中小企業向けに業務効率化や高付加価値化のソリューションを提供

私の個人的な印象としては,セキュリティ事業を中心にその他の事業と連携して成長していこうとしているように思います.

株主総会の雰囲気など

株主総会の会場は,本社のあるセルリアンタワー内の東急ホテルのホールで行われました.当日は,他のGMOグループの企業である,GMOペポバやGMOアドパートナーズなども同日に同じ場所で開催されたようです.

参加者はぱっとみたところ,40代から50代の株主が中心に総勢100名ちょっとという感じでした.

株主総会の業績説明や決議事項の説明は事前に録音・録画してあるスライドによる説明でした.株主総会後には続けて,会社説明会と題して,GMOクラウドの進めるIoT事業の説明がありました.

質疑応答

株主総会と会社説明会で気になった質問についてざっとまとめます.メモと記憶に基いて書いていますので,実際の内容と異なるかもしれません.ご了承ください.

仮想通貨・ブロックチェーンについて

今回の決議事項のひとつに,定款に「仮想通貨やブロックチェーンに関する事業をやる」ということの追加が含まれていました.これに関して,GMOクラウドとしてどういうことをするのかについて質問がありました.

回答としては,こんな感じでした.

  • 仮想通貨については新たに取引所や仮想通貨を発行することはしないが,持っているセキュリティ技術が仮想通貨のマイニングの効率化に使えると考えている.
  • ブロックチェーン技術はやっている事業と仮想通貨のシナジーは高いので進めていきたい.

GMOグループの他のクラウド・ホスティングサービスとの関連について

GMOグループ内でも他のクラウド・ホスティングサービスがあるが,グループ内で調整がされているのか,という主旨の質問がありました.

回答としては,ターゲットを明確にしようとしており,GMOクラウドの客層としては中小企業を中心であり,クラウドについてはプライベートクラウドが強い,という感じでした.

災害時の事業継続の可否について

災害時に本社が被災した場合に事業継続できる体制はできているのか,という主旨の質問がありました.

これに対して,本社の機能が失われても他の拠点で本社機能をまるごと移せるような体制ができているから大丈夫という回答でした.下関,大阪,東京の3拠点間で自由に移せるとのことでした.

各セグメントの売上・利益の見通しについて

今後の売上や利益の中長期的な見通しのイメージを教えて欲しいという主旨の質問がありました.

しかし,中長期の見通しについては公表していないため回答できない,という回答でした.

個人的には,この点は残念に思いました.なにかしらの数字を提示してもらわないと,中長期投資としての投資判断ができないからです.会社が強気なのか弱気なのか,その他もろもろ,単なる見せかけではなくデータに基いた展望に基いて投資判断したいと思っています.

セキュリティ事業のM&Aについて

2017年にシマンテック社の証明書ビジネスが買収されたが(以下のリンクを参考),そのような話がGMOクラウドにもあったか,という主旨の質問がありました.

外部サイト 電子証明書業界の最新動向 | GMOグローバルサインブログ

回答としては,こんな感じでした.

  • セキュリティ業界は5社くらいしかないので買収の話は当然把握していた.
  • この件に関してはGMOクラウドとしては注視していた.

電子証明書を機器毎にはいるだろう時期について

IoT機器向けの電子証明書が本格的に導入されそうな時期はいつごろか,という主旨の質問がありました.

それに対しては,具体的な時期についてはわからないとは言うものの,2020年から23年くらいには進むのではないか,という見通しのようでした.

IoT事業の競合企業について

いろんな企業がIoTと叫んでいるなかで,GMOクラウドとしてどういう戦略で進め,競合企業としてはどんなところがあるのか,という主旨の質問がありました.

それに対しては,

  • GMOクラウドは得意分野(セキュリティ等)を中心に,ソリューションとして提供することを狙っている
  • 大手のターゲットは工場のIoT化であるが,GMOクラウドの対象は中小企業
  • Amazonは直接の競合ではなく,IoT市場を拡大するパートナー的な企業という位置づけ

というような回答でした.

IoT機器向け電子証明書の価格について

大量のIoT機器向けなので電子証明書の発行数は莫大に増えるだろうが,その分1つあたりの価格が安くなって,それほど儲けはないのではないか,という主旨の質問がありました.

それに対する回答はこんな感じ.

  • IoT向けの電子証明書の価格についてはまだ決まっていないものの,低価格で大量に発行できるものを提供したい
  • 料金体系としてもちゃんとは決まっていないが,欧米の動向をみると,最終的には発行数無制限で月額課金というかたちになりそう
  • 昨今無料の電子証明書もでてきているが,無料の証明書によって有料の証明書が取って代わられているわけではなく,それぞれの用途が違う.そのため,今度も有料の電子証明書の需要があるという見込み.

おわりに

GMOクラウドはIoTのセキュリティを柱に世界展開し,中小企業を対象に IoTソリューションを提供していく,という印象を受けました.全体を通して,まぁ好印象でした.

IoTの標準化に関してロビー活動も積極的に行っているようで,IoT機器に電子証明書が標準的にはいるような雰囲気がしています.そういう意味で,IoTの電子証明書が低価格かつ高速発行できれば,結構有望な分野だと思いました.また,ARM社の「mbed IoT Device Platformパートナー」にもなっているので,IoT向けの電子証明書提供の下準備は着々と進んでいる気がします.

参考 ARM社の「mbed IoT Device Platformパートナー」に | GMOインターネット

一方で,中小企業を対象としたIoTソリューションの提供を狙っていますが,これについては少し不安です.素人感覚ですが,事業としてスケーラビリティがあるのか心配です.案件の増加とコストの増加の関係によっては,売上は伸びるけど,利益が伸びないという状況になると思います.個々の顧客にカスタマイズしたソリューション提供となるようだと,その傾向が大きくなるような気がします.

実際,ソリューション事業はずっと赤字なので,セキュリティ事業の足を引っ張らずに成長していくかが鍵だと思っています.

とはいえば,今の株価水準はかなり先の利益まで織り込んでいるので,ここから新規に買うのは躊躇しちゃいます.

コメント

  1. […] 引用元:hassのまったり投資譚 […]