【2018年12月期】GMOフィナンシャルHDの株主総会にいってきたよ


2019年3月24日(日)に開催された,GMOフィナンシャルホールディングス(GMO-FHD)の株主総会に参加してきました.GMOグループの各社の株主総会は休日に開催してもらえるので非常に参加しやすくて良いですね.

今回は,GMO-FHDの株主総会に参加してきた感想と気になった質疑についてまとめたいと思います.なお,質疑については,例年公式にGMO-FHDのウェブ上で公開されるので,詳細が気になる方はそちらを見ると良いと思います.
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GMOフィナンシャルHD

GMO-FHDは個人向けFX取引の最大手で,FXや株式取引などのGMOクリック証券,FXのFXプライム by GMOと仮想通貨の取引所のGMO コインの持ち株会社です.

事業セグメントとしては,証券・FX事業と仮想通貨事業の2つの事業を行っています.売上構成比では,証券・FX事業が9割,仮想通貨事業が1割程度です.証券・FX事業の約6割が店頭FXの収益です.したがって,GMO-FHDは収益的に大きく店頭FXに左右されるという状況です.

業績が予想しづらい金融業界としては珍しく,2021年12月期の営業利益の目標として200億円(2018年12月期: 118億円)を掲げています.かなり強気な目標を掲げているので,よほど自信があるのでしょうね.

株主総会の雰囲気

株主総会は結構な数の人が参加していました(公式発表: 757人).年齢層は様々で,私の観測範囲では30代から80代くらいまでの,幅広い年齢層の株主が参加されている印象でした.

お土産はニューオータニのガトーショコラとガッキーのクリアファイルでした.ガッキーの流し目ヘ(゚∀゚ヘ)
株主総会のお土産

質疑と感想

私が気になった質疑とその感想をまとめたいと思います.ツールの改善などの要望はアンケート用紙に記入する形になっていました.しっかり事業や業績,議案について質疑できる時間がとれて大変良かったです.

なお,以降は私のメモと記憶をベースに書いているので,認識違いがある可能性があります.ご了承ください.また,GMO-FHD では,株主総会の質疑などはIR上で後日公開されますので,質疑の詳細についてはそちらを参照されると良いと思います.
公式ページ 株主総会 | GMOフィナンシャルHD

maneoについて

昨今ソーシャルレンディングは問題になっており,maneo も問題を抱えています.GMOクリック証券ではmaneoを使ったソーシャルレンディングができるようになっています.そういう状況から,「これからも継続的にmaneoをやっていくのか」という質問が出てました.

会社側としては,ソーシャルレンディングは継続的にやっていくとの趣旨の回答でした.GMO-FHDはmaneoと業務提携と資本提携を行っており,maneoが問題をかかえていることは把握しているみたいです.しかし,ソーシャルレンディングという仕組みは有望であると考えているようで,maneo を改善していきたいとのことです.

個人的には,ソーシャルレンディングに関しては否定的で,投資家にリスク・リターンが悪い商品を提供し,会社が儲かるような仕組みに見えます.私の理解では,ソーシャルレンディングは,お金が借りれない相手に高利で貸す仕組みで,お金が貸す側がリスクを正しく判断できずに貸している,かつ,多数の人がいるから成り立つビジネスだと思います.悪どい部分がなくなったとして,会社側は薄利になって終わるだけかな,と思っています.

株主優待について

株主優待の改善

GMOグループの,いくつかのグループ会社では株主優待として,各社のサービスのキャッシュバックやGMOクリック証券での売買手数料のキャッシュバックがあります.私もこれらの優待も目当てで株を保有しています.

そんな中,せっかくGMOグループとして優待をやっているのだから,統一的なポイント制を導入したらどうか,という提案がありました.

会社側も,(グループ内で)提案するとの回答で,今後改善される可能性がありそうです.私も一部うまく使えていない優待があるので,このように改善されるとうれしいですね.

株主優待のコスト

一方で,株主優待のコストについてどうなのかと質問がありました.背景としては,2018年に株式の売り出しがあってか,2018年9月末には11000人弱だった株主数が,2018年12月末には23000人程度まで急増しています.これにより,負担が大きいのでは?という質問だったと思います.

会社側としては,株主優待のコスト自体は公表していないため,回答を控えさせていただきたいとのこと.ただ,優待の利用率は4割くらいで,広告宣伝費としてして十分効果が認められていると判断しているようです.

ただ,やはり優待の利用率が4割というのは2018年6月の優待についてだと推察されるので,私はやっぱり今季結構な負担になるのではないかなぁと思います.
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業績と目標について

今回の営業利益は一時的?それとも継続するの?

GMO-FHDの業績は2016年2017年と減益で,2018年は大きく増益しました.これについて,一時的な利益なのか,これからも継続するのか,という内容の質問がありました.

これに対し,会社側の回答としては一時的な利益ではないとの回答でした.これまで開発してきたビックデータ・AIを使った独自のカバー取引システムによる利益貢献であって,これからもこれが利益に寄与してくると.

そうであるなら,これからもそれなりに期待できるんじゃないかな,と思いました.

5年後について定性的・定量的な目標は?

3年間の利益目標は掲げているけど,さらに5年後の定性的あるいは定量的な目標はあるか,という質問もありました.

会社側としては,金融機関は相場環境に業績が大きく左右されるため,数値で目標を出すのは珍しい.3年後は,(カバー取引システムも含め)やろうとしている施策を積み重ねると十分達成可能なので数値目標を出した,とのこと.5年後の数値目標はたてられない.定性的には,SBI証券や楽天証券に近づき,抜けるようになりたい.株式取引の世界では単にコストだけではなく,サービスの充実が必須.それを達成するために,強みであるFXをまず強化していつか抜けるようになりたいとのことです.

私の日本株のメイン口座はGMOクリック証券ですが,株主優待による取引手数料のキャッシュバックがあるから,というのが理由です.つみたてNISAは楽天証券ですし,値がさ株(ソフトバンクグループとか)に投資する際にはSBI証券で単元未満株を買っています.確かに,GMOクリック証券はSBI証券や楽天証券と比べると,サービス面でまだまだな印象ですね.実際に,手数料のキャッシュバックがなければ,楽天証券口座がメインになっていたと思います.

海外事業について

タイの証券会社は?

昨年,タイに証券会社を作り営業開始しているが,どうなっているか?という質問がありました.

それに対し会社側は,まだ数字として現れてきていない,海外事業は未来への投資として考えている,とのこと.タイでは信用取引が盛んではないが,歴史的に株式取引は信用取引によって活発になってきている.これをタイで行うことで拡大していきたい,とのこと.

確かにそうかも?って思えるので,これには期待したいと思いました.

GMOクリックグローバルマーケッツについて

法人向けFX取引を始めたということだが,どういうところを対象としているのか?という質問がありました.
会社側の回答は,個人向けではNo1を取れたので,それをB2Bでも活かしたいとのこと.B2Bといっても,インターバンクでレートを提示する業務であるようです.

確かに,カバー取引の最適化も行っていて,それが成功しているようなので,これについてもうまくいくような気がしますね.しらんけど(´ー`)

今後の事業について

仮想通貨の送金ビジネス

仮想通貨を使った送金ビジネスはするのか?という質問がありました.

会社側の回答としては,GMOコインで仮想通貨を使った決済・送金ビジネスは視野にいれている.ただし,どういう方法が良いかは決めかねているところ,とのこと.

個人的には,仮想通貨を使った送金という意味では,リップルがそういう位置づけの仮想通貨であるという認識なので,そこに乗っかっていくのかな?と思いました.いまさら旨味はないような気がしますが.

保健事業

事業説明の動画では,今後の事業として保険にも進出するとあったがどういう保険を扱うのか?という質問がありました.

会社側の回答としては,損害保険ではなく生命保険を取り扱うとのこと.損害保険では人員が必要だが,生命保険は営業を増やさなくても良い.仕組みで稼いでいくとのこと.

仕組みで稼ぐとのことなので,流行りのAIでってことなんでしょうかね.

おわりに

全体的に「仕組みで稼ぐ」という言葉が何度も出てきて印象に残りました.いわば,フィンテックで稼いでいくんだ,ということでしょう.

個人的には景気敏感株はあまり持たないのですが,たまたま2018年12月の株安のときにほぼ底値で拾えたのでそのままホールドしている状況です.会社側は3年間で利益倍増の自信があるようなので,ひとまずこのまま様子をみたいと思います.

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